焙煎による成分変化の概要

当店では「焙煎情報」を発信していますが、そもそも焙煎とは何なのか、という疑問を持たれる人も居るかと思いますので、その疑問に答えられるような記事にしたいと思います。
 焙煎とは簡単に言ったらコーヒーの生豆に熱を加えてコーヒーに風味をつくり出す作業、もしくは調理のようなものです。そこで、いきなり調理に入っていくのではなく、焙煎することによってその生豆がどの様になっていくのかという基礎的なことを知っておいていただきたいと思います。
 
 生豆に含まれる諸成分の焙煎による変化は「あまり変化しないもの」「大きく変化するもの」の2つのパターンに大別されます。
「あまり変化しないもの」にはカフェイン、脂質、タンパク質、灰分(ミネラル)、多糖類などが含まれ、
「大きく変化するもの」には少糖類、アミノ酸、クロロゲン酸などが含まれます。
焙煎による風味の形成に、最も重要なのは何と言っても「大きく変化するもの」で、これらが風味に影響するものだということです。
 
 焙煎しなければコーヒーとしては飲めませんが、コーヒーをおいしく頂くためにはこれらの無くなって欲しくない風味を最大限に残すように心がけています。どの様に心がけているかというのは、何と言っても焙煎機の火力の調節です。
 具体的に言うと、当店の焙煎機のガス圧力計では最大で3kPaまで圧力を上げることが確認できますが、1.5以上にあげることは全くといっていいほどありません。むしろ1.0位におさえて焙煎することの方が多いです。何故そんなに火力をおさえて焙煎するかについてはまた次回の投稿記事でお話ししますので、御期待ください。

※ 参考までに、この記事の図に表1として「焙煎による成分変化の概要」(全日本コーヒー協会公認のコーヒー検定教本から抜粋)をつけました。それによると、生豆には9~13%程度の水分が含まれているが、それはほぼ全量なくなってしまう。またその他の諸成分も物理的あるいは化学的に変化するため、最大20%程度の目減りが発生する。焙煎による風味の発現にはこの化学的な変化が大きく寄与しており、大まかには焙煎の進行に伴って、酸味が減少し、苦みが増加する。また、香りの質、量の変化も見られる。という説明もあわせて付け加えておきます。

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